2013/06/18 (Tue)
以下のようでした、
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今議会の開会日に、第一団地にお住まいだという年配の女性の方が、日本共産党の控え室を訪ねてきました。納税のことで相談があると、非常に暗い面持ちで来られました。私は、納税課に一緒にうかがいました。
市県民税、国保税をあわせた滞納が90万円ちかくあり、延滞金を合わせると120万円を越す滞納額でした。このほとんどが国保税です。
現在、女性の夫さんはガンの治療中で、収入もない。非正規雇用の息子さんも一緒に暮らしていて同じ世帯として国保に入っているため、国保税額が高くなっている状況だということもわかりました。
「生命保険を解約すれば30万円近く入る。これを滞納分の支払いにあててはどうか。みんな、ほかの方は、食べるのもガマンしたり、生命保険に入るのもガマンして税金を優先的に納めているんです。2年間で納めていただかなくてはなりません。そのためには月々4万円は納めていただかないと」というような指導があり、私は大変、驚きました。
少し前までは、一人ひとりの生活実態を聞いて、いくらなら生活に支障なく納められるか、と柔軟に対応してもらっていたと記憶しています。しかし、ここ1~2年、税徴収が大変厳しくなっていることを、相談者同様、私も実感しています。
「分納して市と約束した額を納めていたのに、突然、差し押さえがきた。分納額を増やせと言われた。どうしたらいいのか」――こんな相談が、頻繁に、寄せられるようになりました。14,6%というサラ金並みの延滞金により、さらに、滞納額がふくれあがって、どうにもならない状況に追い込まれ、税金を払うために生活が苦しくなる、という本末転倒の事態が、全国同様、上尾でも広がっていることを強く感じます。
国保税を滞納すると、正規の保険証は取り上げられ、短期保険証に切り替えられます。しかも、短期保険証の期限が切れて滞納分が払えないと医療費は全額負担となります。しかし、生活苦や経営難で国保税を払えなくなった人が、医療費の全額など払えるわけがありません。医者にかかれず、重症化・死亡する事件が全国で多発しています。
全日本民主医療機関連合会が調査しただけでも、生活困窮で受診が遅れたことにより亡くなった方は、2010年の1年間で71名にのぼります。すべての人に保険証を交付し、医療を保障するという「国民皆保険」を根底から掘り崩す重大な事態ではないでしょうか。
5点、質問します。
■質問1■この5年間で、市は国保税を2度値上げしてきました。これによる保険税収入額について、値上げ前に見込んだ額と、実際の額を伺う。また、この状況をどう分析しているのでしょうか。
●答弁・・・見込んだ額は1億4000万円の収入増。実際には1億1600万円ほどだった。見込み以上に、保険税軽減対象が多かったためだ(低所得の方が多かった)と分析している。
■質問2■国保特別会計の決算(実質収支)の推移と一般会計からの法定外繰入の額、及び一人あたりの繰り入れ額の推移を5年分しめし、この状況についての分析をお聞かせ下さい。
●答弁・・・①実質収支額、②法定外繰入額、③被保険者一人当たりの法定外繰入額
H20年度①7億6242万6000円、②17億1713万4000円、③2万7185円
H21年度①6億8602万2000円、②15億3488万9000円、③2万4147円
H22年度①11億7397万3000円、②14億4568万円、③2万2669円
H23年度①11億6285万9000円、②5億517万4000円、③7931円
H24年度①決算前にて不明、②8811万8000円、③1389円
繰越金が大きく生じたので法定外繰入が減少した。
■質問3■国保滞納世帯の実態をどのように把握しているのでしょうか。滞納世帯が集中している所得層について伺います。また短期保険証の交付についてですが、昨年度は窓口での交付が倍増しています。短期保険証560枚のうち、144枚が郵送、416枚が窓口交付、と。これは、これまでになかったことです。なぜ窓口交付が郵送での交付を大きく上回り、これまでの2倍、3倍となっているのでしょうか。
●答弁・・・H23年度の実績では200万円以下の所得の世帯に滞納世帯が集中している。窓口での短期保険証交付が増えたのは、そうした世帯の納税相談の機会を確保しようとした結果である。
■質問4■生活困窮などのために国保税が納められない、あるいは病院の窓口負担、3割負担の医療費が払えない、という場合、保険税の減免制度や、窓口一部負担金減免の制度があります。これらの制度について、市民にどのように周知しているのでしょうか。
保険税減免の実績は2010年5件、2011年7件、2012年9件です。窓口一部負担金減免の実績はここ3年間0件です。非常に減免実績が少ないです。なぜなのか。利用しやすくなるような改善について、どのように考えているか。
●答弁・・・保険税減免制度については、納税通知書にチラシを同封している。窓口で相談があった場合もチラシを渡している。窓口一部負担金減免制度については、医療機関での相談がきっかけとなり市に相談がある場合対応している。(制度の周知はしていない)
■質問5■国保は、国保法第1条で「社会保障及び国民保健」のための制度と規定され、第4条で、その運営責任は国にあると明記されています。国保は、憲法第25条にもとづく社会保障の制度です。この間の議会でのやりとりで「国保は助け合いの制度だ、相互扶助の制度だ、とも言われているが法的根拠はない」と、市も認めました。
しかし、「法的根拠はないけれど助け合いの制度だと考えている」というような矛盾した答弁が繰り返されています。
あらためて伺います。国保は、必要な税金をしっかりと投入して、市民の命を守る医療制度であり、国保法にもあるとおり、社会保障の制度だ、という認識があるのでしょうか。
また、国保を広域化、都道府県単位化していく議論が進んできています。国が市町村に出した2010年5月の通達では、法定外繰り入れを解消し、その分を保険税の引き上げに転化するように、との指示がありました。
広域化がおこなわれ、かりに法定外繰り入れができなくなった場合、上尾市の被保険者一人当たりの国保税値上げ額はいくらか、お知らせ下さい。
●答弁・・・皆保険制度の最後の砦としての役割を果たしており、社会保障制度のひとつであると認識している。同時に相互扶助の側面も持ち合わせていると考えている。また、広域化による国保税引き上げ額は、不明確な点が多いため現時点では言えない状況である。
法定外繰り入れが
他市と比べても
きわめて少ないのが上尾市。
たとえば蕨市は
国保税の値上げは行なわない
という市長の信念のもと
努力が図られ
一人当たりの法定外繰入額は
2012年度で比較すると
上尾市の30倍以上の繰り入れ。
類似市の
春日部市や草加市では
上尾市の10倍の繰り入れです。
この違いはなんでしょうか。
短期保険証の発行は
命に関わる問題。
納税相談に来なければ渡さない
ということであるならば
あまりにも冷酷です。
市の姿勢が問われます。
短期保険証の交付は
郵送を基本として
納税の相談については別途
一人ひとりの生活実態に合わせ
丁寧に行なうよう
要望しました。
2つの減免制度の
周知に対して
上尾市は
非常に消極的。
市のHPを見ても
制度についての記載はありません。
それから
国保のパンフレットや
納税通知書に同封されている
チラシを見ても
保険税減免制度の中身が
わかりません。
窓口一部負担金減免制度
についていえば
記載はいっさいありません。
2つの減免制度について
広く活用をすすめている
自治体があります。
たとえば
広島市。
大変わかりやすく
HPで2つの減免制度について
お知らせをしています。
保険税減免については
2011年度
年間5809件3157世帯の
利用があったとのことです。
前年の収入より
今年度の収入が
30%減ることが
見込まれる場合に
利用でき
所得割を
4割軽減するというものです。
前年の収入より
今年度の収入が
80%減ることが
見込まれる場合には
所得割が免除となり
年額1万6000円ほどの
保険税額になると
伺いました。
窓口一部負担金減免については
2561件360世帯の利用があり
減免基準は生活保護基準の
1,3倍ということでした。
広島市では
医療機関に対しても
これらの制度について
周知を図っています。
島根県大田市では
窓口一部負担金の
減免の用件を
大幅に緩和しました。
鹿児島県霧島市では
子育て世代に対し
子どもにかかる
国保料の均等割を
半分に減免する
独自の減免制度を
設けています。
愛知県一宮市では
18歳未満
70歳以上
介護認定4以上
身体障害者手帳4級以上の
交付を受けている方の
均等割が
3割減免される制度を
つくっています。
市は今年度
これら2つの減免制度について
市のHPや広報あげおに
掲載することを
約束しました。
すぐにやって
いただきたいですね!
広域化による
国保税の値上げについては
いろいろな試算が出ていますが
国の指示通りに
独自の繰り入れがなくなれば
全国平均で
年間一人一万円の
値上げになるという
試算があります。
たとえば
川越市では
一人当たり1万2400円の
値上げとなる
という試算を
市が
示しています。
上尾市民への
影響額についても
しっかりと試算を
していただきたい
ものです。
市民のくらしを
支える仕事をすべき市が
試算も出せず
市民への負担増が
どうなるのかについて
あいまいで
あまりにも
危機感がない
答弁でした。
市長は
国保税の引き下げについて
「困難だ」と答弁しました。
近隣市である
鴻巣市では
今年度から
大幅な国保税の引き下げを
行ないました。
一世帯あたり
平均1万5000円の
引き下げです。
この間
上尾市は
国保税の度重なる引き上げのなか
法定外繰り入れを減らし
国保会計の実質収支は
2年連続
11億円を越える黒字です。
市民の暮らしが
ますます厳しくなるなかで
払える国保税にしてほしい
という声が
切実です。
市長には
国に対し
国庫負担の増額を
強く求めるよう
要望しました。
同時に
自治体の役割は
住民福祉の向上です。
国が
手をこまねいて
いるのであれば
ここは
自治体のがんばり時。
国保税の引き下げを
決断していただけるよう
強く要望しました。
ほんとうに
上尾市は
冷たい。
トップの姿勢が
市長の姿勢が
市役所全体を
“クールな街あげお”に
していると
感じました。
国と同じ歩調で
行政運営をされては
市民は
たまったものじゃ
ないです。
ますます
市役所への
不信がつのるだろうと
私は思います。
↓もえ質問動画↓
http://ageosvgkwb.city.ageo.lg.jp/dvl333/2.html
お時間のある方は
ぜひ
ご覧くださいませ。