2017/12/14 (Thu)
上尾市聴覚障害者協会より
日本共産党の
戸口佐一市議候補へ
公開質問状が届きました。
以下
戸口佐一市議候補の回答です。
上尾市聴覚障害者協会会長 新久光三様
公開質問状に対する日本共産党の回答
この度は、公開質問状をお送りいただき、ありがとうございます。
日本共産党は、聴覚障害者施策について重視し、ろう者のみなさんの声を伺いながら、さまざまな要望について繰り返し上尾市議会で取り上げ、市の姿勢を質してきました。とりわけ、手話言語条例の制定については、制定を望むみなさんの思いをまっすぐ市に届け、市長に対し早期実現を求めてきたところです。聴覚障害者福祉は、少しずつ前進しているものの、あらゆる施策の中で常に意識をして聴覚障害のある方たちの人権を守るための施策が展開されているかといえば、まだまだ道半ばです。みなさんとともに、聴覚障害者福祉の向上のため、力を尽くしていきたいと考えております。
1、 手話言語条例について
「手話言語条例」は絶対に必要な条例です。国が「手話言語法」を制定していくことを待つのではなく、各自治体が積極的に制定し、先進的な取り組みを進めていくことが大切だと考えます。
「手話は言語に含まれる」と法的に明記されたものの、では具体的に何をどのように推進していくのかについては、それぞれの自治体が聴覚障害者の方々とともに考えていく必要があります。そのためにも、施策推進の根拠となる条例制定は重要であると考えます。
2、 専任手話通訳者の増員について
専任手話通訳者の正職員の増員は必要であり、急務の課題であると考えます。
今後、年を重ねていくろう者の方たちの暮らしを支え、人権と生命を守る手話通訳者に求められる役割や責任は、ますます大きくなるでしょう。専任手話通訳者の増員、とりわけ正職員として雇用し、安定的に長く、また健康を保ちながら仕事に従事していただくことが大事であると考えます。
3、 聴覚障害者に対する防災対策について
災害時におけるさまざまな情報のほとんどが、聴覚障害者の方を配慮したものになっていないと感じています。東日本大震災において、聴覚障害のある方は情報が得られずに逃げ遅れ、命を失った方が全体の死亡率の二倍であったと伺っています。災害時の情報について、字幕や手話通訳による情報保障など、真剣に考える必要があります。
また、避難所については、2つのことを考えなくてはならないと思います。
一つ目は、指定避難所における聴覚障害のある方への配慮について。各指定避難所で、あらゆる場面において視覚でわかる情報提供を徹底することや、筆談できるホワイトボードの整備、「手話ができます」「耳がきこえません」と書かれたビブスやバンダナの整備などが必要です。
そして二つ目は、聴覚障害のある方が集まり、避難することができる福祉避難所の設置です。手話通訳者の人数が限られていることから、手話であらゆる情報が得られる福祉避難所を設け、指定避難所での避難が難しいろう者の方が避難できるようにする必要があります。
4、 聴覚障害者の福祉施策の取り組みについて
なによりも、手話は言語だという認識が市民の中に広がっていくよう、手話に出会い、ろう者の暮らしについて知ることができる機会を増やしていくため、創意工夫を凝らした大小さまざまな講座や講習会を開いていくことが大切であると考えます。手話がわかる市民を増やし、手話通訳者を増やしていくための施策の推進を図っていく必要があります。
また、●子どもたちが手話と出会えるよう学校教育に位置づけること。●手話講習会で保育を実施し、子育て中の方や、聴覚障害がある子どものご両親が手話を学べるよう改善すること。●市の広報で手話コーナーを設けること。●市の職員全員が手話の研修を受けられるよう手立てをとること。●公共施設にパトライトを設置し、災害時、いち早く危険性を伝えられるようにすること。などの取り組みが必要であると考えます。
また、手話がわからない難聴の方に対する施策として、公共施設における磁気ループの設置や、要約筆記者の養成も重要です。