38億円 新図書館問題 上平移転の是非を問う 住民投票実施せず

《 市民の願いを無視 ～賛成11 反対18～ 》

1万3598人の市民が直接請求により制定を求めた新図書館計画の是非を問う住民投票条例を新政クラブ、公明党ら18議員が反対し、否決としました。

市議会では、用地の異常な高額買収をはじめ次々に明らかになる疑念に対しての調査や論議は浅く、市が新図書館用地の買収について「正常な価格」と言えば、そのまま追随するだけに過ぎませんでした。

《 157万円→5600万円 根拠失う ～繰り返された市の虚偽説明 》

この高額買収価格は県の「公共用地の取得に伴う損失補償基準」に基づいて計算された、と市は答弁を繰り返していましたが、その前提は、用地買収は「土地収用法」等が適用されていることでした。

日本共産党は、今回の図書館用地買収が「土地収用法」等の適用ではないことを初めて明らかにさせました。このことから県の損失補償基準も適用にならないことになります。

そもそも157万5000円で取引された建物が約5600万円の高額買収になった根拠を失っているもので、市は事実上「虚偽の説明」で押し切ったことになります。

《 議会のチェック機能 果たせず 》

図書館用地取得額の法的根拠が崩れたことが判明したことから、日本共産党は全議員を対象に「再度、買収金額の査定根拠を正確に説明させること」を議長に求めました。しかし、開催されませんでした。法的根拠を欠く説明や答弁を前提に議会が採決を行ったことは重大問題です。

《 用地買収 高額で違法 ～住民訴訟へ～ 》

用地買収契約は高額で地方自治法に違反しているとして、「上尾の図書館を考える会」の有志代表は1月5日、損害賠償などを目的として9511万円を請求することを市に求める住民訴訟をさいたま地裁に起こしました。

今後のゆくえを見届けるとともに、みなさんと一緒に市民の声が生きるまちづくりを進める決意です。