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2024/11/22 (Fri)
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2016/12/25 (Sun)
つづいて
二人目の意見陳述者である
大友弘己氏の陳述です。

なお以下の陳述は
時間の関係で
発言できなかった部分が
含まれています。

大友氏に原稿をいただき
掲載しておりますこと
ご了承ください。


こんにちは、続いて申し述べます私は大友と申します。 私もまず、自己紹介させていただきます。
 
上尾に住んで来年は50年を迎えます。 リタイアしてから11年たちましたが、現役時代は生活協同組合で働いていました。 さいたまコープで 22 年専務理事を務め、その後はコープネット事業連合では理事長、日本 生協連合会では専務理事などの役員を務めてきました。 仕事柄、約30年の間に新店舗出店計画の審査・可否の決定に少なくとも100件以上関わ った珍しい経験を持っております。
 
生協の店舗は、利用者が組合員でもあり、出資者でもあることから、固定客に支えられる強 みがありますが、半面、競合に敗れて赤字経営になっても他のスーパーのようにおいそれと は店じまいすることができないという悩みがあります。 生協では、組合員は、利用者(顧客)であるばかりではなく、出資者でもあり、運営参加者 でもありますので、店じまいには組合員がなかなか賛成してくれません。そして赤字店舗を 長く抱えこむことになりがちです。 ですから、新店の立地選定にはことさら慎重でなければならず、したがって出店速度が遅い という結果になりがちです。
 
私は重要な実験店でもあった上尾のコープ今泉店の計画に当たっては、スーパーマーケット 事業のコンサルタントとして第一人者だった渥美俊一氏に立地を判断していただくために お招きしてご一緒に桶川にある本田エアポートからセスナ機に同乗して上空から立地を見 ていただいたことがありました。自分が住む地元で出店計画が失敗したら、恥ずかしくても う上尾市には住んでいられなくなると考えたものでした。 渥美氏が太鼓判を押してくださったことで、売り上げ予測、収支計画、投資計画などに確信 を深めて出店を決断したのですが、おかげさまで開店以来36年たった今も、「アリオ」が できても後退することなく「繁盛店」を維持しています。
 
公立図書館は、生協の店舗と似た条件のもとにあると考えられます。 利用者は、単なる顧客ではなく、納税者でもあり、市政の主権者でもあります。 計画通りの利用が得られなくても、おいそれと廃止にするとか、移転するとかいうことは考 えられません。ですから慎重な検討が必要です。 赤字経営という評価がされることはないかも知れませんが、費用対効果くらいは検討される べきと思います。 図書館を利用する人は誰か、どんな整備を図ることが求められているか、他市の図書館との 競合などいわゆるマーケットリサーチが大切ですが、新図書館複合施設計画ではまったくそ んな努力がされた様子がうかがえません。
 
9月議会での鈴木茂議員からの質問、新図書館では現図書館に利用者数45.8万人の2倍、 90万人に利用者数を増やす計画とされているが、その根拠は?と問われたことに対し、現 図書館利用者と青少年センター利用者、上平の現分室利用者はそっくりそのまま利用する、野球場やテニスコートの利用者、上平公園を散策している人々(数は不明)、あっぴーラン ド利用者、子どもの読書教室を始めることで増える来館者(人数不明)などと答えていまし た。 これには驚きました。真面目な検討がなされていると思えますか。 数字が出ているもの合計で85.7万人にしかなりません。 この数字を利用人数と見込むことが妥当かどうか、計画に賛成しておられるみなさまには信 じられることなのでしょうか。 私は、上平に「新図書館複合施設」を建設した場合、今のような無責任な管理運営姿勢では 現図書館より利用人数が減るのではないかと予想しています。 相当な努力をしても現在のレベルに追いつくかどうかではないかと思っています。
 
維持管理費は大幅に増加するはずですが、まだ計算もしていないという答弁でした。 費用対効果で考えれば、馬鹿げた投資ということです。 民間企業であれば、こんな事業計画では決してゴーサインはでません。 自分の経験から、立地の見つめ方や、事業計画のあり方にあまりにも問題があると感じてい ることをまず申し上げた次第です。 公共事業では、これまでは厳しい見詰め方が足りないことが普通でしたが、東京都の豊洲新 市場の問題では退職金の自主返納のようなことが起きている時代です。 「新図書館複合施設」でも、ひどい結果が明らかになったときには、責任を問われることも 当然出てくるのではないでしょうか。
 
さて、以下駆け足で「新図書館複合施設計画、及びこれに係る市費の支出の賛否を問う住民 投票条例請求の要旨」について申し述べます。 署名簿に添付し、「本請求」に掲げた請求の趣旨は以下の通りです。
 
《請求の要旨   上尾市は、駅近くの上町にある現在の図書館本館を中心市街地から遠く離れた上平公園 西側に移転建替えを行う計画を進めています。この新図書館複合施設計画は、計画内容も財 政見通しも当初説明から二転三転しており、市民に十分な説明のないまま「移転建替えあり き」で事業が進められています。  多額の建設費がかかるこの事業について、以下の理由から、市民が判断できる十分な情報 を提供し、市民の意思を問うべきと考えます。》
 
 この「請求の趣旨」本文について若干補足を申し上げます。 これまでの議会で小刻みに承認を得て進めてきたとか、市長選挙でマニフェストに掲げて 当選したのだから市民の支持が得られているなどと言い募られましても、納得する市民は少 なく、民意とかけ離れてしまっている現実を、市長にも、議員のみなさまにもぜひしっかり 直視していただきたいと存じます。
 
これ以上市民の声を無視したり、議会の多数決で抑え込もうとしても、ますます不信と批判を深めるばかりではないでしょうか。
 
そうした「無視や多数決での安易な決着」と、「不信と批判の深まり」の連鎖を繰り返し て いてよいとは思えません。 次のステップに進むためには、図書館複合施設計画に賛成の人も反対の人も公正・公平に 意思表示ができる「住民投票」を行い、計画への賛否を問い、その結果に従うことが有効な 解決策ではないか、と私どもは考えております。   
 
 次に、私どもが、請求の趣旨を「市民が判断できる十分な情報を提供し、(住民投票で) 市民の意思を問うべきと考えます」としている理由 5 点について申し述べます。
 
《(1)新図書館複合施設計画は、図書館関係者が「常識では考えられない」と一様に指摘 する駅から遠く離れた交通不便地域への移転建替え計画であり、交通不便のため利用で きない市民が大幅に増加します。 上平公園西側への立地については、市長主導の市の内部会議(政策会議)で決定して おり、立地場所の選定について市民の意見や有識者の意見を広く聴く機会はもたれてい ません。市民代表の懇話会やパブリックコメントはすべて上平移転を決めた後行われた ものです。》
 
ここで言っている「図書館関係者」とは、日本図書館協会のスタッフや、図書館学の 研究者、他の図書館の館長などですが、特に印象に残ったのは、私たちが見学に訪れた 神奈川県海老名市の市立中央図書館で、指定管理者として管理運営を請け負っているツ タヤ書店の関連会社カルチャーコンビニエンスクラブの幹部でもある同図書館の館長 からの言葉でした。 同図書館は、海老名駅から徒歩 7 分足らずの場所に位置しており、1 年前にリニュー アルオープンしてから若い人やこどもたちの利用が急増して、来館者数を以前より 2.4 倍に増やした実績を持っています。 その館長は、「駅から 7 分でも遠すぎる、駅ビルとか駅の隣であればもっと来館者数 を大幅に増やせるのに」と悔しがっており、「上尾では郊外に図書館を移転する計画が 問題になっています」と説明したら、「信じられない話だ」と絶句していました。 現図書館を増築してリニューアルするほうが確実に来館者を大幅に増やせる可能性   が高いのではないかと考えてみると、上尾の図書館サービスのレベルアップを確実に成 功させる視点で考えてみても、上平への移転で良いものかという疑問が深まります。
 
《(2)当初の図書館単独の移転建替え計画から、複合施設計画に変更し、図書館専用部分 が現在の図書館より狭くなることになりました。また、移転建替えの費用は、当初の 20 億円という説明から、38 億円に膨れ上がっています。こうした計画や見通しの変更 についても市民の意見を聞く機会は設けていません。》

オープンな場で市民から意見を聞いたのは、唯一 4 月 24 日の説明会だけでした。    大事なことを市長の独断で決めることが多く、議会にも事後承認を求めるだけ、まし てや住民から広く意見を聞こうとはしない、という姿勢では困ります。
 
   複合施設にすることになって、図書館専用の部分は現図書館より狭くしなければなら なくなりました。    青少年センターの施設を事実上図書館の施設として使うようにすることで大きくな ると私たち市民には説明していますが、それでは青少年センターのほうは支障が起きな いのでしょうか。青少年センターの利用者には十分に説明されているのでしょうか。    しかも、図書館施設全体の総面積ではこれまでより減らさなければならないという制 約を受けることになり、現図書館本館の施設を有効に活用しようとしたい場合にはわず かな面積しか使えないことになるのではないでしょうか。

《(3)限られた財政状況の下で、また、災害復興や東京オリンピックの影響で建設費が高 騰している時期に、他の優先度の高い事業(プレハブ校舎の解消、公立保育所の耐震化、介護体制の拡充等)を後回しにしてまで建設を強行する必要があるのかという疑問の声 も広がっています。》   
 
   他の多くの都市で、計画されていた公共施設建設を見直し、延期したり、中止したり したところがあると聞いています。 入札が予定価格内で成立しなかったため暗礁に乗り上げた例もあると聞いています。
 こんな時期に、急いで建設工事を進めようとすることは、これまで説明されてきた総 事業費見込み額を大幅に上回る結果をもたらすことになるのではないかと懸念する声 が多くの市民から聞かれています。
 
《(4)海老名市や桶川市は、既存施設のリニューアルによって、少ない費用で、利用者を 大幅に増やす図書館整備を行っています。現図書館の改修や地域分館、公民館図書室な どに費用を投入して充実整備を図る方が、少ない経費で多くの市民が利用しやすい図書 館システムになるのでは、という意見も多く出されています。》 

上尾市の現図書館は、これまで検討されてきた候補地のなかでは、上尾駅西口駐車場 と並んで、利便性では優れた立地条件にあり、新築建て替えにこだわらず、増築とリニ ューアルで可能性を検討すれば、海老名市や桶川市のように、少ない費用で利用者を大幅に増やせるはずです。

《(5)住民投票は、主権者である市民の意思によって市政が運営されることを保障する直   接請求の権利行使であり、新図書館複合施設計画に賛成の人も反対の人も、納税者であ り公共施設の利用者である市民として、意志表示の機会が必要です。》

15年前、上尾市がさいたま市と合併を進めることの是非を問う極めて重要な住民投 票の実現を求める署名が取り組まれました。商工会議所や青年会議所までが組織を挙げ て取り組んだ署名でしたが、その時の署名数は10344人でした。    今回寄せられた署名数13598人はそれをはるかに上回っており、上尾市の市政の 歴史に残る出来事と言っても過言ではないと思われます。 これまでの行きがかりだけにとらわれず、民意の大勢を示しているものとして受け止 めることは、民主主義を重んじることを標榜する政治家にとっての最低必要条件ではな いでしょうか。 この現実は不都合だと考えておられる場合でも、これを尊重しなければ民主主義を語る政治家としては不合格、と市民から見つめられることになる可能性が高いと私どもは 考えております。

どうぞ熟慮の上、この請求への採決に臨んでいただきたいと存じます。
 
   この請求とは別に、住民監査請求にも取り組んで参りましたが、文教経済常任委員会 が終わるのを見届けてからと思われるタイミングで12月8日に監査結果の通知をい ただきました。 懸念していた通りの「棄却」という結果でしたが、その理由は、「請求人の主張には 理由がないものと判断した」としており、請求人の請求の主要な論点には向き合わず、 何ら答えていない不誠実な判断と言わざるを得ません。 公正な立場で市政の不適切や失敗を正す役割が期待される監査委員会も、市民の期待 に応える役割を果たしてくれる機関ではなかったことに私たちは失望させられました。
 承服することのできない結果を受け止めた私どもは、複数の弁護士から相談に乗って   いただき、住民訴訟を進めることを検討しております。 市長(行政)も、議会(安易な多数決主義)も、市民の願いに耳を傾けることが疎か な現状を少しでも正していくためには、弁護士や検察、裁判所など、司法の力を借りて、 3権分立の民主主義の復元力に期待をかけたいと考えております。      最後に島村市長から提案された付帯意見について、感想を述べさせていただきます。 
 
   残念ながら、島村市長は請求者13,598人からの請求をどう受け止められたのか について一言も語っておられません。 市民が何を求めているのか、その本質を受け止めることなく、それを無視して、これ までご自分が言ってこられたこと、進めてきたことを繰り返して主張・説明して理解を 求めることに終始しているだけに過ぎない、と受け止めるしかない内容でした。   特に、「3年間にわたり市民の代表である議会で審議をいただき、適正に進めてきたも の」であり、「この事業自体が、民主的かつ健全な運営のなかで進めてきたものである と理解しております」と述べておられることは、これだけ多くの市民からの声が寄せら れていることに何の呵責も感じておらず、一かけらの反省の念も持っておられないこと を示すものではないでしょうか。    世の中では、これを「居直り」と呼ぶと思います。市長の「この言葉は頂きかねる」 という批判の声が13598人の中の大方の人々から高まるものと考えます。
 
   私たちは、「上尾市図書館の基本理念」に全面的に賛同しています。 「くらしに役立ち、市民とともに歩む図書館」の三つの内容   「誰もが本と出合うよろこびを感じられる居心地の良い図書館」 「暮らしに役立ち、市民の知る権利を保障する図書館」 「市民文化創出の礎になる図書館」を目指して市民とともに歩んでいきます」 いずれも素晴らしいと思っています。 しかし、新図書館複合施設の建設を急ぐことはこの理念に反する結果をもたらすので はないかと懸念しています。 今、市民の中に不信が広がり、「請願」と「請求」と「監査請求」が同時に議会に出 されているように市民の中に意見の違いが深まっている中で、議会の決議だけで押し切 ることを繰り返すのではなく、熟議して市民の総意できめていくことが、求められてい ると考えます。  
 
《以上のことから、新図書館複合施設計画、及びこれに係る市費の支出の賛否を問う住民 投票条例の制定を求めるものです。》 

ご清聴ありがとうございました。
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プロフィール
趣味:
カフェめぐり、バスケ、ネイル、整理整とん、詩をかくこと、歌うこと、図書館通い(*´∀`)
自己紹介:
秋山もえ/ 上尾市議会議員3期目/ 家族は夫&こども3人/ 1976年2月11日に千葉県木更津市に生まれる/ Ally(性的マイノリティ支持)/ 手話を勉強中/ 自営パン屋を営む両親の手伝いをしながら育つ/ 小・中・高校と陸上競技、水泳、ロードレース、バスケットなどスポーツばかりの日々/ 身長170㎝/ 新聞奨学生として朝日新聞の配達・集金をしながら予備校2年間を足立区北千住&大学4年間を板橋区中板橋で過ごす/ 大学に在学中に日本共産党に入党/ ウルドゥー語(パキスタンの言語)を専攻/ 2000年3月大東文化大学国際関係学部卒業/ 2000年日本共産党埼玉県委員会勤務/ 2007年上尾市議会議員選挙に立候補・初当選/ 好きな食べ物は母がつくるすいとん、ひじき、豆腐、納豆、さつまいも、いちご、チョコレート/ お酒は梅酒を一杯くらいしか飲めない/ タバコは大嫌い/ 埼玉県上尾市西上尾第二団地2-19-503在住/ 048-783-0503/ 090-5394-7971/ mugendai2010@docomo.ne.jp
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