2012/12/20 (Thu)
「子どもたちが
安心して過ごせる
学童保育の充実について」
この1点にしぼって
質問しました。
学童保育は
1997年の
児童福祉法の
一部改正により
公の事業と
なりました。
翌年
1998年4月から
「放課後児童
健全育成事業」が
スタート。
とはいえ
補助額は
たとえば
290日開設の場合
児童40人に対し
375万円という
低さです。
全国では
10年勤めても
月給15万円にも
届かない
学童指導員が
多数で
3年で半数が
退職せざるを得ない
という事態です。
2007年に国は
「放課後児童クラブ
ガイドライン」を
つくりました。
ここで示された
学童保育所の
適正規模は
おおむね40人程度。
児童一人当たりの面積は
おおむね1.65平方メートル。
子どもの体調が
悪い時に
休息できる
静養スペースの確保も
必要だとしています。
このガイドラインは
法的な拘束力は
ないものの
学童保育所の
望ましい
運営基準を示し
市町村に
保育の質の
向上のための努力を
求めています。
私は
学童保育を
利用している保護者
あるいは子どもたち
指導員の方たちから
この間
寄せられた
改善を求める声
要望をもとに
質問しました。
【土曜日の合同保育について】
●問:今年度から土曜日については2~3ヶ所の学童を合同で保育する取り組みが始まりました。異なる学校に通っている子どもたちが、土曜日だけ合同保育となることで、いろいろな困難が生じているようです。土曜日の合同保育導入の経過と実態は?
●答:2009年に県の通知で土曜日等に複数の学童保育所をひとつの学童に集めて開所する場合の取り扱いが示された。これを受け、2010年には試験的に近隣の異なる小学校に通う児童が入室している複数の学童保育所で土曜日の合同保育を実施した。今年度から学童保育所28ヶ所を13のブロックに分けて土曜日の合同保育を一斉に開始した。合同保育の利用は入室児童数全体の約10%である。
★もえの要望:
土曜日の合同保育実施について、以下のような指導員の方の声があります。
「もう決まったことだから、なんとかいい保育をしたいとがんばっている。でも預かるだけで精いっぱいという状況。子どもとの信頼関係があってこそ、その積み重ねができていてこそ保育になるけれど、何ヶ月に1回しか合同保育にこない子どももいる。信頼関係をつくっていく上で難しさを感じている」
「以前は土曜日だと人数が少なくなる分、目をかけてあげたい子どもにゆっくりと関わってあげられた。土曜日は家庭の日、家にいるみたいにあたたかい保育をと目指して、手作りのおやつを一緒につくったり、外にお散歩に行ったり。でも今はそれができない。コスト面を考えて始めたのだと思いますが、障害をもつ子どもがいたり、それぞれの保育所で事情も異なるのに、一斉に合同保育する必要があったのか疑問がある」
「他の保育所の指導員と交流ができ、プラス面もある。指導員同志の会議を開いてうまく連携できるようにしている。合同保育を実施する上での心配はこうした努力のなかでなんとかなっていると感じる。でも子どもの立場に立った時、合同保育することで土曜日には来なくなった子もいるので申し訳なかったなと思う」
また、子どもからも
「土曜日は行きたくない。あっちの学童で合同保育だと、サッカーはできないしつまらない」
「自分の学童だと落ち着くけど、あっちの学童のときはいやだ」という声も。
私は以下のように
要望しました。
「保育は、ただ子どもを預かるというものではない。土曜日だけは、ルールも環境も違う所で、保育をすることになるということは、保育していくうえで大切な要素が土曜だけ変化するということ。このことへのとまどいが指導員の方からも、子どもたちからも伝わってきた。合同保育の実施によりパートさんを削減し、年間で1学童あたり42万5000円の人件費削減となっている。もしも合同保育の実施の主たる目的が経費削減のためであるならば大変心配。今後、土曜日の利用が増えたり、障害をもつ児童の利用が増えたとき、このまま一律に土曜日は合同保育とするのかどうかは、慎重に再検討していく必要がでてくるのではないか。保育に困難が生じていないかなど、市には現場の声を丁寧に聞き取っていただけき、子どもたちにしわ寄せがいかないよう支援を」
【大規模学童の解消について】
●問:現時点で、適正規模の40名を大きく超える70人以上の児童を保育している学童保育所はの現状は?今後、どのように大規模学童保育所の解消にむけて取り組んでいくのか?
●答:70人を超える学童保育所は大石学童(74人)と中央小学童(73人)の2ヶ所。指導員の加配をし安全安心に配慮し対応している。しかし、70人を恒常的に超過する状況は国のガイドラインにも反することから、対処方法については検討していく。
●問:私は、市内最大の74名の児童が入所している大石学童の実態を現地調査し、そこで伺った指導員の方の声ーー「70名を超える規模というのは、とても保育にならない。人が多くいるというだけで部屋の中はうるさくなり、落ち着きもなくなる。静かな場所でゆっくりしていたい子どもがいても、そういう環境を保障できない。40名というのがなぜ適正規模なのか、この状況を見ればわかってもらえると思う。職員を加配すれば保育ができる、という簡単なことではない。職員が多ければ多いほど、連携も大変。74名の子どもたちの保育を職員の加配で乗りきるのではなく、学童を増設して適正規模で保育できるようにしてほしい」との声を紹介して、2点、再質問。
①71名を超えると補助金がカットされるが、減額となった補助額はいくら?
→→答:県の単独補助が約260万減額となった。その減額分は市が全額補てんした。
②大規模学童の解消のために、市がその責任において場所の選定などにどう関わっているのか?
→→答:NPO法人と連携を密にし必要な情報を収集するなど、課題の解決に向けて関与していく。
★もえの要望:
私は市の答弁に対し「大規模学童の解消について、保護者の方から『自分たちで場所を探さなければならないのは本当に大変。もっと市が責任をもって場所を探してほしい』との声がある。場所の選定を保護者まかせにしていては、大規模学童の解消を実現できない。場所探しを含め全力で市が関わるように」と強く求めました。
【時間外保育料の徴収について】
●問:保育時間内の午後7時までに児童の迎えに来れず遅れる保護者に対し、今年度から15分1000円の時間外保育料が徴収されています。時間外の保育料金を徴収することになった経過と、徴収したお金の使途は?
●答:NPOに一括で委託した後、保育時間の厳守を目的として18時半を超過した時間の料金を15分の超過につき300円を徴収することとなった。その後、2011年度から開所時間を30分延長し19時とし、19時を過ぎた場合の対処方法として15分単位で1000円の料金を徴収することになった。閉所時間を過ぎた際の指導員の時間外勤務手当などを通常の保育料でまかなうのは公平性に欠けること、また保護者へ閉所時間の厳守を強く訴えることを目的とし徴収することとした。徴収した料金は、正規職員やパート指導員の時間外勤務手当に充てている。
★もえの要望:
時間外保育料の徴収は、4月から11月までで450人分、8万6000円になります。私は資料により、時間外保育の利用は19時から19時15分までの15分間の利用が76%と一番多く、19時16分から19時30分までの利用者と合わせると、全体の94%であることを示しました。また、月に何度か7時を過ぎたお迎えになってしまうシングルマザーのお母さんの声――「たいてい仕事で迎えが遅れてしまうが、7時2分とか3分とかそのくらい。だから時間外保育料として3000円の請求が来た時は金額に驚いた」という声を紹介。
就学前の子どもたちが通っている市立保育所では、保育時間は学童保育所と同様に19時までですが、遅れて迎えに来る場合、時間外保育料を徴収していません。また私立の認可保育所では、むしろ制度として確立されているところが多く、19時から20時までの保育をおやつや軽食付きで1回30分300円~500円、月単位では月2000円~5000円などとして実施。こことの比較で見ても、15分で1000円という料金設定は負担額が非常に大きいです。
私は以下のように
要望しました。
「学童保育は児童福祉法に定められた公的なもの。市には市立保育所と準じた形での支援を考えていただきたい。指導員の時間外勤務手当などは市がきちんと補てんをし、保護者から別途、保育料徴収を行わなくてもすむようにしてほしい」
【1学校1学童の実施について】
●問:2010年12月議会でも取り上げた際、市の答弁は「1学校1学童は市の方針。分割することが望ましい。学童保育行政にかかる施策をひとつひとつ展開していく中で取り組んでいく」ということでした。この質問から2年。現在、1学校1学童を実施する必要がある学童の実態と今後の実施見通しは?
●答:1学校1学童となっていないのは平方学童(平方東小児童21人、平方北小児童29人)と上平学童(上平小児童29人、上平北小児童31人)の2ヶ所。市の1学校1学童保育所の方針に従って、児童が通所する際の安全確保、施設老朽化への対応、学校敷地内移転などの問題の解消に向け取り組んでいく。
●問:1学校1学童となっていない平方学童には50名、上平学童には60名と、すでに適正規模を超えた児童が入所していることがわかりました。異なった学校から児童が通ってくることで、日常の保育では、学童に到着する時間が学校によって違うので、落ち着いた保育がつくりにくく、また学校の行事日程がバラバラなため保育をつくっていく上での難しさを感じる、というのが指導員の方の思いです。1点、再質問しました。
①どのような計画をもち1学校1学童をすすめるのか?
→→答:行財政3カ年実施計画の中で検討していく。
★もえの要望:
しっかりと行財政3カ年計画にもりこみ早急に1学校1学童をすすめるよう要望しました。
【NPO法人への委託金について】
●問:よりよい保育を実施していくためには、日々の学童保育を支える予算が重要です。NPOへの委託金の3年間の経年変化と、国・県・市、それぞれの補助金の額は?
●答:2009年は約1億9000万円、2010年は約2億300万円で、昨年度は2億1000万円。その内訳は、国の補助が約8600万円、県の補助が約1400万円で、市の委託費と補助金が約1億1400万円。
★もえの要望:
委託料について、私は資料をもとに、委託金の低さを示しました。学童全体の経費は年間の総支出が4億5000万円だけれど、国・県・市を合わせても2億円ちょっとの補助なので、学童保育所の運営は厳しいものにならざるを得ないという実態を明らかにしました。
そして「市は、国や県の補助増額を強く求めていくとともに、市独自の補助も増額をし、公的保育として学童保育の充実を図ってほしい」と要望しました。
【学童保育の保育料について】
●問:「なんでこんなに上尾の学童は保育料が高いの?」という保護者の声がよく聞かれます。上尾市の学童保育の保育料の最高額と最低額はいくらで、それぞれ額は県内の市の中で何番目か?
●答:おやつ代を含み1~3年生が13000円、4年生が12500円、5~6年生が11000円。準要保護世帯とひとり親世帯への減免は、1~3年生が4300円、4年生が3900円、5~6年生が3500円。保育料の高い低いについては各市でさまざまな減免制度があり、上尾市が県内で何番目と言えない状況にある。
★もえの要望:
学童保育料について、県内で上尾市はどの位置にあるのか、市は答弁しませんでした。
しかし、埼玉県のHPを見れば一目瞭然です。県がまとめた表によると中核市の川越市と政令市のさいたま市の2市をのぞき、県内の市の中で、保育料の最高額において上尾市は上から5番目、最低額はなんと一番高い保育料です。他市においては、生活保護世帯や非課税世帯の保育料を無料にしている市も少なくありません。
お隣の桶川市では、最高額が上尾とほぼ同額ですが、応能負担となっているので、階層別に2500円、3400円、4400円、5700円…ときめ細かい保育料設定ですし、もちろん生活保護世帯や非課税世帯については保育料は無料です。
上尾の場合、応益負担で保育料は階層別ではなく一律の料金です。保護者の声のとおり、大変負担が重いのです。
私は「市にはこの点をしっかりと認識していただきたい。応能負担できめ細かな保育料設定にすることや、準要保護世帯やひとり親世帯、非課税世帯は保育料を無料にするなど、減免措置のさらなる充実を」と市に求めました。
【学童指導員の退職状況について】
●問:全国的には3年以内に半数の指導員がやめてしまうという状況があります。これは保育の質、子どもたちとの信頼関係を毎日の積み重ねで作っていくことを困難にするものです。上尾市では勤務して3年以内で退職する指導員は何人か?退職理由は?
●答:NPO法人に一括委託後3年以内で退職した正規職員は25名(44名~62名のうち)。退職の理由は家庭の都合等という方が多い。正規職員の62名の平均勤務年数は4年1ヶ月である。
いま
学童保育指導員の資格を
保育士や教員と
同等の資格にしよう
という流れが
うまれつつあります。
学童指導員が
安心して
働き続けられるよう
賃金や待遇の改善
身分の保障は
緊急の課題です。
もしも
市から
委託を受けている
NPOが
コストの面を
気にして
思うような保育が
できないとしたら
それは
市の責任が
大きく
問われることに
なります。
私は
あらためて
「学童保育に対する
予算的な支援を
いっそう強めてほしい」と
要望しました。
今回
質問するにあたり
調査をする中で
保育の質の面でも
保育料などの
保護者の負担の面でも
あらためて
多くの課題が
見えてきました。
これからも
保護者の方
指導員の方
NPO法人と一緒に
力をあわせ
子どもたちにとって
よりよい
保育環境づくりのため
がんばっていこうと
思います。
・・・・・・・・・・
一番上の写真は
ほんちゃんの
最近
描いた絵。
にぎやかで
私はとっても
気に入っています♪
学童の保育料について疑問に思っていたところ、こちらのブログにたどり着きました。
都内のある区の学童は一律4000円です。上尾はNPOだから高いのでしょうか。それにしても上尾市は保育料も設定が高すぎですよね。都内から引っ越してその差にビックリいたしました。
母親的目線で意見できる市議会議員さんとして応援しています。
これは上尾の学童の大きな課題です。
しかも、一人親世帯や生活保護世帯が無料と言うところもありますが、こうした世帯への上尾の支援は非常に不十分です。
ひきつづき、保育料の引き下げを求めていきますね!
コメント、本当にありがとうございます。
がんばります!
学童保育の超過料金について調べたらこちらに辿り着きました。
15分単位で1000円の超過料金には正直驚いています。(しかも上尾だけ)
ペナルティとして考えるならまだわかりますが、
電車等の公共交通機関の遅延が原因で遅れてしまった場合でも
この天文学の金額が払わされるのはどうしても納得できませんよ。
上尾市に引っ越してからもう10年経ちますが、
ずっと住みやすい町だと思っていました。
しかし、学童保育のことを考えると、
正直引っ越すことも考え始めました。
本当に、この超過料金は、あまりにも高いと思います。
今後も改善を求めていきたいと考えてます。
それから、公共交通機関のおくれ、などであれば、機械的な徴収はおこなわない、というふうに市に確認しています。
働きやすい、子育てしやすい上尾になるように、がんばっていきます。
いっしょに、そんな街づくりをしていきませんか?
お返事が遅くなり、本当に申し訳ありませんでした。
またぜひ、コメントをお寄せください。