新図書館複合施設の早期実現を求める請願に対する反対討論

12月議会には
住民投票条例案の請求署名だけではなく
新図書館建設推進を求める請願も
提出されました。

この推進請願については
きわめて似た筆跡の署名が
多数見つかり
署名の有効性が疑われるとし
文教経済常任委員会では
緊急動議も
提出されたものです。

以下
推進請願にたいする
日本共産党の反対討論です。

請願第４号　新図書館複合施設の早期実現を求める請願について反対の立場から討論を行います。

先般の文教経済常任委員会で審議された際、この請願の取り扱いを巡って、議論となり、かなりの時間、別室にて協議しました。

協議となったのは、請願署名の中に、きわめて似た筆跡の署名が多数見つかったことから、署名の有効性を確認し、必要であれば調査を行うよう求め、継続審査の緊急動議も出されました。

最終的には、この継続審査の動議は可否同数となり、小川委員長決済で否決としました。

文教経済常任委員会でも、一般質問でも述べましたが、市議会ホームページには請願署名簿のひな型には「※市名は自署か記名、押印すること」とあります。これが請願署名をする市民に市議会が守ってもらうように要請しているルールです。

にもかかわらず、このルールから明らかに逸脱したと疑われる署名が多数見つかった以上、その取扱いも含めて慎重に審査することは市議会の責任です。

この市民から負託された責任を無視することは市議会の存在をも脅かす重大な背任です。

しかも、この署名の中には田中守議長や小川明仁文教経済常任委員長の名前も見つかっています。この署名は市議会に宛てて出されたものです。公正な立場で審査する議長や委員長がこういった署名を行うことは、違法ではないにしても、制度の趣旨として、議員のモラルの問題として、その資質を含めて、いかがなものかと言わざるを得ません。

この請願の趣旨は、これまで議会で市や市長が計画を進めていくうえで言ってきたことをそのままなぞらえた内容です。

例えば、図書の収蔵能力が限界、とありますが、地下の閉架書庫は周密書架にすれば、まだ収容スペースは確保できます。また、平方東小、平方北小の空き教室の特別閉架書庫も、スペース的には十分収容することができます。

閲覧席が少ないことについては、学習室を除いても１１７席あります。読書をする分にはソファや窓際においてある椅子で十分です。

専用の学習室がないことについては、イベントがあるとき以外はほぼ開放しており、５４席あるので、多くの学生らが使用しています。

バリアフリーが不十分な点については、確かに十分とは言えません。しかし、エレベーターもあり、１階には車いす用のトイレがあり、おむつ替えベッドもあります。工夫して改修すれば対応できます。

持ち込みパソコンの環境は、現在でも９台のパソコンを持ち込み使用可能です。もし、増やすならば電源供給の回収を行えばいいですし、Wi-Fi環境はやる気になればすぐできます。整備すればいいことです。

今の図書館本館が市民の地の拠点として、まったく不十分であると断定していますが、血の拠点は市内に１か所あればいいというものではありません。むしろ、各地域にある分館や公民館図書室を充実してこそ、知の拠点に市民が気軽にアクセスできる環境となります。

この請願は、財政的なことにまったく触れていません。多くの市民が行きかう中心市街地に立地してこそ、さらなる市民の利用を促進することができます。先ほども決算特別委員長からの報告にあったように、市の財政はきわめて厳しいと常に市が言っています。

来年度の予算編成方針でも、３５億円ほどが足りないと記されています。

新図書館複合施設の建設は、上尾市の将来財政にも大きな不安を残し、議論も十分ではないということから、この請願に反対します。